6/7(木)
紙(A4コピー用紙)を使って、制作を行う。
紙(A4コピー用紙)という素材について学ぶ。
A4サイズのコピー用紙を使って2900mmの高さまで届くような構造物をつくる。(思考2分、組み立て5分を2回)
紙飛行機をつくって、「滞空時間のギネス世界記録」を目指す...(~金曜につづく)
6/8(金)
昨日の反省点を活かす。飛行実験による試行錯誤を重ね、紙飛行機の精度を向上させていく。
チームごとに記録をはかる。
まとめ・授業のふりかえり。
1.飛行機の先端部を鋭角にカット。
2.カットした箇所をスティックのりで接着。
3.翼の後ろ、側部に若干の角度をつける。(端を折る)
(パートナーのことを分析・観察していなければ相手を喜ばせるデザインはできない!)
2限〜3限の最初の30分の間話し合う。(昼食も一緒に過ごした。)
3〜4限(3時まで)ペーパークラフトの制作
話しを通して、まず驚いたのが自分の予想していた性格とは全く正反対の一面を持っていたという点だ。
話のなかで主だった話題は二つだ。
まず、人生経験の中で、人と上手くコミュニケーションがとれていないという悩みを打ち明けてくれた。
パートナーいわく、自分のやりたいことに対する熱量が他と合わなかったり、人間関係において心配性なので、相手との距離感を上手く縮めていくのが難しいと言う。
これに関しては私も共感できるところが多くて、自分と重ね合わせることでより理解が深まった。
次に、「作品制作」についての話で、今後やってみたいことや、今作っている作品についての話をした。
意識が高く、上昇思考の彼女は熱々と作品制作について語ってくれた。
作品制作はこれも含めて、経験や知識を応用することでもあるし、作品を発表するということに慣れることを目標にしているようにも感じて、
一番情熱を感じ取れるところだった。
現状の課題に対して、機能、性能面での解決を目的とする。製品の有用性を検討し、デザインによって生み出される(機能、性能面)での可能性、経済的価値も含めたもっとも合理的で効率化されたデザインとも言えるだろう。あまり面白いものではない、と最初は思ったが、試行錯誤の末に問題が解決できたり、成績が徐々に上がっていくのは楽しかった。
私も含め、大多数の人にとって、デザインといったら最初に思い浮かぶのがこれだ。
意匠や形状、色のデザインを追求することで、「美的な価値」を高める。
様々なカタチで、人間の五感に働きかける。
面白いことに「インターフェイスデザイン」が優れているものに対して、性能や機能面で多少他と劣っていたとしても
人々は使いやすいと感じ、ものに対する愛着も生まれやすい。
「デザイン」の語源は18世紀のヨーロッパにあり、意外とそんなに古くはない。
当時、ヨーロッパでは「産業革命」が起こり、機会技術の発達によって、工場製品の大量生産が可能になった。
しかし、そこでは少ない時間と安価な材料でできた大量の複製品で溢れ、その代償としてものの意匠、質感はチープなものになっていた。
時代のアーティストはそこにカルチャーショックや危機感を覚え、機械による大量生産に対して反対運動をおこした。
これが「デザイン」誕生の起源だ。
こういう歴史を見ると「インターフェイス・デザイン」に「デザイン」の本質が見てとれる気がする。
授業で取り組んだ作品は2〜3時間とはいえ、真剣に相手のことを考え、「この人を喜ばせるためにはどうしたらいいのだろうか...」と常に考えながら制作をおこなった。
その過程で人の思いや魂が込められていると私は思う。
(この授業では一義的なデザインを考えたが、もちろん「1〜3」のすべてにこのことは当てはまり、単純に「2」だけでの話ではない。)
まだ言葉で表現するのは難しいが、今後の日常生活や授業の中でデザインに向き合う時、このことにも意識を傾けて探求していきたいと思う。
社会にでた製品、サービスは人にどのような感動を与え、そこに新たな価値やクリエイティブを生むことができるのだろうか...
教授が授業終わりに見せてくれた動画の中に「ナイキのスニーカーオタクの紹介ムービー」がある。
彼ら(彼女ら)は、国籍、文化、ナイキのスニーカーオタクになった理由など実に様々で、ナイキスニーカーの好きなポイントまで細く違っていた。
ナイキのスニーカーには多種多様なデザイン(色や模様)があり、万人にフィットし、履き心地も快適という性能面、機能面でも非常に優れたデザインとなっている。
そんなナイキのスニーカーの魅力に引き込まれ、それは彼らにとって、人生を変えてしまうほどの影響力を持っていたようだ。
なぜだろうか...?
彼らは本来、靴に対してある程度のニーズがあったかもしれない。だが何百〜何千とまで欲していたわけではなかったはずだ。
彼らを平凡な人生からナイキのスニーカーオタク人生に変えたのには「デザインの効果」が大きく関わっている。
例えば,「ナイキのスニーカー」では初めてスニーカを買って「いい買い物をした♪」という実体験がまずはじめにあり、
そのあと、スニーカーを履いて使っていく中で安心感、親近感(信用)などの体験価値が生まれ、蓄積されていく。
そして、次のスニーカーが気になったり、調べてみるなどしてナイキのスニーカーに対する意識が高まる。
この時点からスニーカーは「必要なモノ」ではなく「興味・好奇心、などの欲求を満たすモノ」になる。
このような過程を踏んでいくと、ナイキのスニーカーに対する愛着の度合が次第に増していく。
使用者にとってナイキのスニーカーはただのスニーカーではなくなり「高い心理的な価値」を帯びた宝物になる。
これはかなり単純になっているが、人がものに対して「愛着」を持つまでの流れだ。(ナイキのスニーカーオタクの方々に関してもこれは当てはまるはずだ。)
さらに言うと、彼らはスニーカーを履くものでけとして捉えることはせず、自らのアイデンティティとして新しい価値を生み出しているはずだ。
「デザインの効果」にはこのようなパワーが秘められている。